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2015年10月25日 (日)

無死2塁でのバントの損益分岐点 バント成功率による変動

無死2塁でのバントの損益分岐点を求めましたが
バント成功率によってこの損益分岐点がどの程度変動するのかを分析します。

前回、無死2塁でのバントの損益分岐点は
得点期待値を求める場合はOPS.223
得点確率を求める場合は打率.234
と出ましたが、これはバント成功率78%という標準的な条件下でのものでした。
今回はここの条件を変えバント成功率の高い選手、低い選手での無死2塁でのバントの損益分岐点を求めます。

バントのうまい選手、下手な選手それぞれのバント成功率の設定方法ですが
無死1塁の時と同じように、各球団の中で最もバントのうまい選手を1人選び
2013年~2014年の2年間のべ24人の平均値を「バントがうまい選手のバント成功率」と定義し
それ以外の選手の平均を標準的な野手のバント成功率と設定しています。
バントが下手な選手の設定は便宜上バント成功率の標準値との差を揃え以下の3パターンになりました。

無死2塁
バントがうまい選手(Aランク)   85%
バントが標準的選手(Bランク) 78%
バントが下手な選手(Cランク) 71%

これらの3つの数値を前回のバントの計算式のバント成功率のとこに代入します。
(つまりBランクは前回と同じものということになります。)

無死2塁での得点期待値の計算式(バント時)
A 0.919×0.85×0.94+1.721×0.85×0.06+0.499×(1-0.85)×0.31+0.687×(1-0.85)×0.69 =0.916
B 0.919×0.78×0.94+1.721×0.78×0.06+0.499×(1-0.78)×0.31+0.687×(1-0.78)×0.69 =0.893
C 0.919×0.71×0.94+1.721×0.71×0.06+0.499×(1-0.71)×0.31+0.687×(1-0.71)×0.69 =0.869

無死2塁での得点確率の計算式(バント時)
A 0.629×0.85×0.94+0.831×0.85×0.06+0.26×(1-0.85)×0.31+0.396×(1-0.85)×0.69 =0.598
B 0.629×0.78×0.94+0.831×0.78×0.06+0.26×(1-0.78)×0.31+0.396×(1-0.78)×0.69 =0.578
C 0.629×0.71×0.94+0.831×0.71×0.06+0.26×(1-0.71)×0.31+0.396×(1-0.71)×0.69 =0.558

無死2塁でのバント成功率が標準的な選手と比べ、うまい選手・下手な選手は
得点期待値で約0.023点、得点確率で約2%増減するということが分かります。

このバント成功率が高い場合、低い場合のバント時のデータを使い、前回と同じように得点期待値利得とOPS
得点確率利得と打率のグラフを作ります。回帰直線の式はこのようになりました。まずは得点期待値から

OPS×得点期待値利得
A y=0.394x-0.1107
B y=0.394x-0.0877 
C y=0.394x-0.0637

それぞれy=0の時のxの値を求めると

 y=0.394x-0.1107
 x=0.1107÷0.394
 x=0.281

 y=0.394x-0.0877 
 x=0.0877÷0.394
 x=0.223(前回出した数値)

 y=0.394x-0.0637
 x=0.0637÷0.394
 x=0.162

無死2塁のバント成功率85%の打者が
得点期待値を求める場合、無死2塁でのバントの損益分岐点はOPS.281

無死2塁のバント成功率71%の打者が
得点期待値を求める場合、無死2塁でのバントの損益分岐点はOPS.162


次いで得点確率

打率×得点確率利得
A y=0.4707x-0.1303
B y=0.4707x-0.1103 
C y=0.4707x-0.0903

それぞれy=0の時のxの値を求めると

 y=0.4707x-0.1303
 x=0.1303÷0.4707
 x=0.277

 y=0.4707x-0.1103 
 x=0.1103÷0.4707
 x=0.234(前回出した数値)

 y=0.4707x-0.0903
 x=0.0903÷0.4707
 x=0.192

無死2塁のバント成功率85%の打者が
得点確率を求める場合、無死2塁でのバントの損益分岐点は打率.277

無死2塁のバント成功率71%の打者が
得点確率を求める場合、無死2塁でのバントの損益分岐点は打率.192


このようにバント成功率による3パターンのバントの損益分岐点を求めましたが
選手ごとでその選手のバント成功率を当てはめて計算すれば、各選手が無死2塁で打たせるべきかバントさせるべきか
をより正確に求めることができます。最後にこれをまとめます。

各選手のバント成功率は2013年~2014年の2年分のデータを使用、ただし母数の少ない選手は
下記の方法でAランク、Bランク、Cランクを決定しました。

バント成功率(無死2塁)
バント企画 20以上 その選手のバント成功率を使用
バント企画 10~19 Aランク(85%)、Bランク(78%)、Cランク(71%)のうち最も近いものに分類
バント企画 0~9  母数が少ないためBランク ただしバント成功率60%以下はCランク
無死1塁でのバント企画 0  おそらく下手であろうということでCランク 主に外国人選手が該当

最後の項目は本来無死2塁で見るべきものだったのですが、無死2塁や無死1,2塁のバント企画数は
とても少ないためバントさせられない打者を拾いあげるのに無死1塁時のデータを利用することにしました。

このような設定で2014年シーズン打席数100以上の選手170人の無死2塁での得点期待値利得、得点確率利得を計算しました。

281
282

REG・・・run expectancy gain 得点期待値利得の略称
RPG・・・run probability gain 得点確率利得の略称


無死2塁では併殺打がないため、ほぼ3パターンのバントの損益分岐点通りの結果となりました。

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