RE24から見る一死1塁でのバントの損益分岐点
一死1塁のケースを求めます。
(RE24から見る無死1塁でのバントの損益分岐点をまだ読んでない方は先にこちらをご覧ください。)
一死1塁でもこれまでと同じように各打者の得点期待値利得、得点確率利得からバントの損益分岐点を求めます。
まずは得点期待値を求める場合から。
一死1塁での得点期待値の計算式(ヒッティング時)
一死1,2塁RE×四死球率+一死1,2塁RE×単打率×0.76+一死1,3塁RE×単打率×0.24
+一死2,3塁RE×二塁打率×0.7+(1+一死2塁RE)×二塁打率×0.3+(1+一死3塁RE)×三塁打率
+(2+一死走者なしRE)×本塁打率+二死2塁RE×0.07+三死RE×0.1+二死1塁RE×(1-出塁率-0.07-0.1)
式としては無死1塁の時のものにそれぞれ1アウト分増やした形となります。
単打で一死1,2塁 or 一死1,3塁に、二塁打で一死2,3塁 or 1塁ランナーが生還しての一死2塁に
と分かれますが、一死1塁時のデータは集めていないためこれらの塁状況が分かれる確率は無死1塁の時に
集めた同じデータを使用しました。(2014年シーズンデータ)
三死REという箇所がありますがこれは一死1塁から併殺打で3アウトのことでこの時の得点期待値は0となります。
一死1塁での得点期待値の計算式(バント時)
二死2塁RE×バント成功率×0.98+一死1,2塁RE×バント成功率×0.02+二死1塁RE×(1-バント成功率)
こちらも無死1塁の時のものにそれぞれ1アウト分増やした形となっています。
では実際の選手の成績を入れて計算してみましょう。2014年の白崎の打撃成績を使って計算します。
0.905×(16+0)/225+0.905×39/225×0.76+1.158×39/225×0.24
+1.335×8/225×0.7+(1+0.687)×8/225×0.3+(1+0.919)×1/225
+(2+0.242)×1/225+0.321×0.07+0×0.1+0.214×(1-0.289-0.07-0.1) =0.440
一死1塁のバント成功率ですがこれまでも書いたように変数としてまた改めて分析するため
ここでは標準的な打者の平均値であるバント成功率82%を使って計算します。
0.321×0.82×0.98+0.905×0.82×0.02+0.214×(1-0.82) =0.311
2014年の白崎の得点期待値利得は
0.440-0.311 =0.129
と求められました。
同様の計算を2014年の打席数100以上の選手170人でも行い、170人分の得点期待値利得を出しておきます。
次にこれらの得点期待値利得が各選手の打率、出塁率、長打率、OPSの4つの打撃指標のうち
どの打撃指標が最も強い相関を示すのかを知るべくそれぞれの相関係数を求めます。結果はこうなりました。
OPS 0.993
長打率 0.938
出塁率 0.898
打率 0.789
OPSが最も強い相関を示しました。
散布図にするとこのようになります。
(R=相関係数、Rの二乗=決定係数)
この回帰直線と得点期待値利得が0のx軸との交点がバントの損益分岐点となります。
回帰直線の式からy=0の時のxの値を計算すると
y=0.3927x-0.1006
x=0.1006÷0.3927
x=0.256
得点期待値を求める場合、一死1塁でのバントの損益分岐点はOPS.256と出ました。
続いて得点確率を求める場合です。
一死1塁での得点確率の計算式(ヒッティング時)
一死1,2塁RP×四死球率+一死1,2塁RP×単打率×0.76+一死1,3塁RP×単打率×0.24
+一死2,3塁RP×二塁打率×0.7+1×二塁打率×0.3+1×三塁打率+1×本塁打率
+二死2塁RP×0.07+三死RP×0.1+二死1塁RP×(1-出塁率-0.07-0.1)
一死1塁での得点確率の計算式(バント時)
二死2塁RP×バント成功率×0.98+一死1,2塁RP×バント成功率×0.02+二死1塁RP×(1-バント成功率)
こちらも2014年の白崎の打撃成績を入れて計算します。
0.408×(16+0)/225+0.408×39/225×0.76+0.636×39/225×0.24
+0.652×8/225×0.7+1×8/225×0.3+1×1/225+1×1/225
+0.211×0.07+0×0.1+0.120×(1-0.289-0.07-0.1) =0.225
バント成功率0.82を入れて計算すると
0.211×0.82×0.98+0.408×0.82×0.02+0.120×(1-0.82) =0.198
2014年の白崎の得点確率利得は
0.225-0.198 =0.027
と求められました。
こちらも先ほどと同様2014年の打席数100以上の選手170人分の得点確率利得と4つの打撃指標との相関係数を調べます。
結果はこうなりました。
OPS 0.994
長打率 0.944
出塁率 0.889
打率 0.809
OPSが最も強い相関を示しました。
散布図にするとこのようになります。
(R=相関係数、Rの二乗=決定係数)
この回帰直線と得点確率利得が0のx軸との交点がバントの損益分岐点となります。
回帰直線の式からy=0の時のxの値を計算すると
y=0.1733x-0.0746
x=0.0746÷0.1733
x=0.430
得点確率を求める場合、一死1塁でのバントの損益分岐点はOPS.430と出ました。
一死1塁でのバントの損益分岐点は得点期待値、得点確率ともにOPSが最も強い相関を示すという
無死1塁の時と同じパターンとなりました。
それぞれの損益分岐点を比較すると
(無死1塁 → 一死1塁)
得点期待値を求める場合.332 → .256
得点確率を求める場合.609 → .430
と共に下がっており、このことからも一死1塁でのバントが有効となるケースは無死1塁の時より少ないことが伺えます。
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