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2016年5月18日 (水)

2015年 野手 oWAR

WARの攻撃貢献部分となるoWARを求めます。

WAR(Wins Above Replacement)とはその選手を使うことによってリプレイスメントレベルと比べ、
チームに何勝上積みさせたかという選手の貢献度を計る指標です。
このWARは攻撃貢献部分のoWAR(Offensive WAR)と守備貢献部分のdWAR(Defensive WAR)によって構成されており
oWARについては各選手の打撃成績から求めることができます。oWAR算出の流れとしては

・wOBAにホームパークファクター補正をする
・更にそのwOBAにリーグ間補正をする
・補正wOBAとポジション別リプレイスメントレベルの差に打席数を掛け打撃による得点貢献を求める
・打撃による得点貢献に走塁による得点貢献を足し、攻撃による得点貢献を求める
・攻撃による得点貢献を勝利数に換算する
このような流れとなります。

では実際に2015年シーズンの西川を例にoWARを求めていきます。2015年の西川の成績はwOBA.339
これに日本ハムのホームパークファクター補正をするとwOBA.344となります。(計算方法はこちらの下部参照)

リーグ間補正ですがこれは両リーグのリーグ平均wOBAの差(セ wOBA.308 パ wOBA.312 共に投手を除いた平均)を
埋めるために行います。リーグ環境の差をwOBAだけで判断していいのか?と問われたら他の要素も考えられないことはなく
はいと言いきれるものではないのですがあくまで簡易的にセパの中間のwOBA.310に合わせる形の補正をすることとします。

 0.344×310÷312 = 0.342

次にポジション別リプレイスメントレベルを使って得点貢献を求めますがここは他の一般的なWARの求め方と
違う点かもしれません。一般的なWARの求め方はリプレイスメントレベルとの差から得点貢献を求めて
後からポジション補正を行うという形が主流なのですが、僕は最初からポジション別のリプレイスメントレベルを出して
その差から得点貢献を求めるという手法を取っています。

実は全体の式から見れば単に計算過程の順序が変わっただけなのでどちらでやっても最終的な結果は同じなんですが
このやり方だと途中ポジション価値の違いを直接wOBAで表すことができ、そこがいいなと思い独自の手法を取りました。

2015年 ポジション別リプレイスメントレベル(wOBA)
450

このポジション別リプレイスメントレベルは1球団あたり9人分の主力選手を除いた
それ以外の選手でポジション別に平均wOBAを出したものとなります。
(データは2013~2015年の3年分で年度ごとの補正も行いました)

話を西川のoWARに戻します。
2015年の西川の出場ポジションはファースト15、セカンド29、レフト473、途中出場4 の計521打席
これらの打席数を補正wOBAとポジション別リプレイスメントレベルの差にそれぞれ掛けます。

 {(0.342-0.289)×15+(0.342-0.257)×29+(0.342-0.286)×473+(0.342-0.262)×4}÷1.24
 = 24.25

これが西川の打撃による得点貢献となります。
得点貢献という考え方自体がwRAAに近いということもあり、wRAAを求める時と似た式となっていますが
ポイントはwRAAを求める式の「リーグ平均」を「ポジション別リプレイスメントレベル」に置き換えているという点です。

次に走塁による得点貢献ですがこちらは盗塁と盗塁死の記録から求めます。
2015年の西川は盗塁30 盗塁死7
そしてこれは以前に求めたのですが
盗塁の得点価値は0.171 盗塁死の得点価値は-0.4 なので、走塁による得点貢献は

 0.171×30+(-0.4)×7 = 2.33

となります。

最後にこれらの得点貢献の勝利数への換算です。
一般的に10得点で1勝分(WAR1.0)の価値があると言われていますが、あくまでこれはおおまかな値であって
実際はシーズンごとで異なります。
そのため何得点で1勝分の価値になるかを示すRPW(Runs Per Win)を出す必要があります。RPWには公式があり

 RPW = √{(得点+失点)÷投球回}×10

で求めることができます。計算すると2015年のRPWは9.18でした。
よって西川のoWARは

 (24.25+2.33)÷9.18 = 2.90

となります。


このようなやり方で2015年の1軍出場野手全339人のoWARを計算しました。
スタメン100打席以上出場したポジションのある選手にポジション表記をしています。

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