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2016年5月29日 (日)

2015年 投手 WAR

投手のWARを求めます。

WAR(Wins Above Replacement)とはその選手を使うことによってリプレイスメントレベルと比べ、
チームに何勝上積みさせたかという選手の貢献度を計る指標です。
投手WARの求め方には様々な方法がありますがここではFIPを使って求めます。

WAR算出の流れとしては
・FIPにホームパークファクター補正する
・更にそのFIPにリーグ間補正をする
・防御率スケールのFIPを失点率スケールにする
・補正FIPとリプレイスメントレベルの差に投球回数/9を掛け投球による失点抑止貢献を求める
・投球による失点抑止貢献を勝利数に換算する
このようになります。では実際に2015年シーズンの小川を例にWARを求めていきます。

FIP
={13×被本塁打+3×(与四死球-故意四球)-2×奪三振}÷投球回数 + FIP定数

上の式から2015年の小川のFIPは3.55となります。(2015年のFIP定数はセリーグ2.88、パリーグ2.75)
他のサイト等でFIP定数が3.12となっていることがあるかと思いますが、厳密にはこれはシーズンごとに求める必要があり
FIP定数=3.12としている所はあくまで簡易的なFIPということです。(FIP定数の求め方はこちら

ホームパークファクター補正は被本塁打数をHRホームパークファクター跳ね返り係数で割り
その補正された被本塁打数を使ってFIPを求めます。この補正で小川のFIPは3.55→3.31となりました。
リーグ間補正は2015年のリーグ平均FIPセリーグ3.25、パリーグ3.60、合計した両リーグの平均3.425から

 3.31×3.425÷3.25=3.49

これが最終的な小川の補正FIPとなります。

次に防御率スケールから失点率スケールへの変換ですが、なぜこの作業が必要になるのかというと
FIP自体、自責点から求める防御率と同じ尺度となるように設計された指標だからです。
WARは野手は得点貢献、投手は失点抑止貢献を勝利数に換算するものとなっているように
各投手のFIPも失点率スケールでどれくらいかという形にする必要があるのです。

2015年の両リーグの自責点、失点の合計はそれぞれ5815、6455でその差は1.11倍
これをFIPに掛けることで失点率スケールのFIPを出すことができます。

計算する前に投手のリプレイスメントレベルを出しておきます。

2015年 投手起用別リプレイスメントレベル(FIP)
460

この投手起用別リプレイスメントレベルは1球団あたり13人分の主力選手を除いた
それ以外の選手の先発時、リリーフ時のFIPの平均を出したものとなります。

データが出揃ったとこで計算します。
小川は投球イニング数が168回 全て先発なので投球による失点抑止貢献は

 (4.61×1.11-3.49×1.11)×168÷9 = 23.21

最後にこれをRPW(何得点で1勝分の価値になるかを示す指標)で割り

 23.21÷9.18 = 2.53

こうして小川のWARが求められました。


このようなやり方で2015年1軍登板のあった全投手のべ320人のWARを計算しました。
先発で60イニング以上投げている投手とリリーフで30イニング以上投げている投手に起用ポジション表記をしています。

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