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2016年7月 6日 (水)

チームWARで見る12球団の育成力と補強力

WARを使って各球団の育成力と補強力を探ります。

チームWARとは文字通りそのチームの全ての選手のWARを合計した値のことで
言うなればこれは数値化されたその年のチーム戦力を意味します。
このチームWARを選手のタイプごとに分類し
各球団の戦力が育成によるものか補強によるものかを数値化します。

まず選手のタイプを以下の4つに分類します。

高卒入団選手
大学・社会人入団選手
外国人・FA移籍選手
その他(トレード、FA補償、自由契約選手など)

独立リーグから入団した選手については
高卒2年目までのドラフト指名  → 高卒入団選手
高卒3年目以降でのドラフト指名 → 大学・社会人入団選手 として扱い
中島裕之や田中賢介のようなアメリカからの帰国選手はFA移籍選手に分類します。

このように全ての選手を4つのタイプに分類し、各球団のチームWARをグラフ化しました。

501


502

まず目につくのはソフトバンクの圧倒的な戦力です。チームWARからもその巨大戦力ぶりが分かります。
その中身を見ると生え抜きの戦力(高卒+大卒・社会人)は勿論のことですが、特に補強による戦力(外国人・FA移籍)が18.6と
12球団1の数値となっています。実は生え抜き戦力だけで見るとパ・リーグではソフトバンクよりも日本ハムや西武のほうが
高い値なのですが、ソフトバンクはこの補強戦力によって他球団に大きな差をつけているということが伺えます。

生え抜き戦力ではソフトバンクに負けていない日本ハムと西武ですが、とりわけ日本ハムの高卒戦力は25.9と群を抜いており
これは12球団1の数値です。日本ハムは主力野手に高卒の生え抜きが多いのですが元を辿るとドラフトでの野手指名の
ほとんどが高校生で高卒1年目から2軍で積極的に使って育てるというチーム方針が実を結んだ結果と言えるでしょう。

ところでパ・リーグ3位はロッテですがチームWARで見るとリーグ5位、逆にパ・リーグ4位の西武はチームWARではリーグ3位
となっています。このような現象の理由としては投打の噛み合わせが考えられます。つまり戦力的には西武のほうがロッテを
上回っていたがシーズン全体で見てロッテは投打の噛み合わせが良く、西武は投打の噛み合わせが悪かったということです。
ちなみにロッテと西武のゲーム差は2とかなりの僅差でもありました。
(セ・リーグでは1位ヤクルトと2位巨人のゲーム差が1.5、3位阪神と4位広島のゲーム差が0.5でした。)

WARという指標自体、各選手の得点貢献(失点抑止貢献)から勝利数という別の単位に変換しているものですが、
そういった意味ではチームの総得点と総失点から勝率を予測するピタゴラス勝率と似た性質を持っていると言えそうです。
ピタゴラス勝率はその推定勝率と実際の勝率との間に強い相関関係があることが知られていますが、マクロ的な指標であるがゆえ
推定勝率にズレが生じますがこれも投打の噛み合わせによるものです。

このように選手を4つのタイプに分類してチームWARを出すことで、戦力構造からその球団が育成型のチームなのか
補強型のチームなのかといった特徴を知ることができるのです。

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