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2019年7月31日 (水)

2019年夏の甲子園出場校のエース依存度

49代表校の地区予選の投手記録から各校のエース依存度を調べました。

かつて高校野球はエースが全試合完投して当たり前という時代がありましたが
今では連投でエースが疲労困憊になるのを避けるため、またはチームの戦略として投手分業制にするチームも珍しくはありません。

そこで各代表校の地区予選の全イニングに占めるエースのイニング数の割合を「エース依存度」としこれを調べました。
はじめに49代表校と書きましたが参考にもなるかと思い、佐々木朗希投手で話題の大船渡高校を加えた50校となります。

なお本来は背番号1=エースとなりますが、便宜上ここでは地区予選で最もイニング数を投げた投手をエースとし、
同様に2番手、3番手、そして4番手以降は合算してその他という分類としています。

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上の図は見ての通りエース依存度を高い順に並べたものですが最小26%~最大100%と想像以上に幅広いことが伺えます。

下はグラフの元データとなった表ですが、このデータからも各校の特徴が表れています。
まず赤になっている数値がありますがこれは40イニング以上もしくは投球割合80%以上のエースです。
高校野球は地区ごとに試合数が異なるということもあり必ずしもこの2つが一致するわけではないということです。

次にオレンジになってる数値は投球割合が40%以上の2番手です。
ここから言えることは必然的にこのチームのエースの投球割合は40%~60%となり、投手2本柱のタイプということを示しています。
同様にピンクになってる数値は投球割合が25%以上の3番手で、
ここは2番手の投球割合が25%~37.5%、エースの投球割合が25%~50%となり、投手3本柱のタイプということを示しています。
(ここの説明よりもグラフで見たほうが直観的に分かりやすいかと思われます)

(追記)
さて今夏大船渡高校の佐々木朗希が岩手県大会決勝に登板しなかったことが大きな話題となりましたが、
他の地区でもこのようなことはあったのでしょうか? 
49代表校を対象にこれも調べてみました。

佐々木朗希は準決勝では投げ、連投はせず決勝では投げなかったということを踏まえ
「準決勝で5イニング以上投げ、決勝では一切登板しなかった」という条件に当てはまる高校を探したところ・・・13校ありました。
全体から見れば少ない数ではあるものの個人的に思っていたよりは結構あるなという印象です。

この13校+大船渡高校の準々決勝以降の投手起用をグラフにするとこのようになります。
同じ高校が3つ並んでいますが上から準々決勝、準決勝、決勝。
投手名は登板順というわけではなくグラフ作成の都合上エース、2番手、3番手、その他の順とさせてていただいています。

1023

 

 

見たところエースと2番手をうまく使い分けているパターンが多いという感じです。
この中で習志野高校はエースの飯塚が準々決勝、準決勝を完投し決勝は登板回避。決勝は2年生の山内を先発させるという
状況的には大船渡高校並に叩かれてもおかしくないようなものでしたが、やはりそこは大会前からマスコミに騒ぎたてられていた
佐々木朗希の存在ゆえのあの騒動だったということだったのでしょう。

ちなみに準決勝、決勝で5イニング以上投げた投手が1人もいなかったという高校も2校(仙台育英、鶴岡東)ありました。
ただし鶴岡東は準決勝が6回コールドだったので、実質的には仙台育英だけと言えるかもしれません。
甲子園でも見せたように県大会でも準決勝では4投手、決勝では3投手という細かい継投で宮城大会を制覇しました。

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